長年エアコン修理に携わる私たちですが、最近トラブルの傾向が少し変わってきているような気がしますので記事にしてみたいと思います。
フロン規制により冷媒ガスがR134aに切り替わって10年ほどになりますが、ガス/オイルの性質なんかによるものか、各パーツの材質を含めた品質向上によるものかその辺はわかりませんが、冷媒ガスが漏れるというトラブルは減ったような気がします。
一方相変わらず多いのが、いわゆる「ガスの詰まり」です。
1.エアコンを入れて使い始めはとりあえず問題なし
2.30分〜1時間ぐらいするとだんだん冷えなくなる
3.次の日また乗ってみると同じ症状が繰り返す
こんな症状はないでしょうか?特にH7、8年〜10年ぐらいのトヨタ車/カローラ・カルディナ・コロナ等に多く見られる症状のようです。
これはエキスパンションバルブでガスが詰まるというトラブルで、対処としてはエキスパンションバルブとレシーバタンクを交換します。
* その際、ガスの回収/真空引き/再充填のガス工事が伴います。
作業としてはそれほど難しいものではないのですが、この「詰まり」の原因は水分であることがほとんどで、システム内の水分が凍ってしまい、一番狭いバルブ部分で詰まるということになります。詰まりの元が「氷」ですから、エアコンを止めてしばらく放置すると融けて元に戻ります。
本来システム内に水分は無いのが正常で、何らかの修理を行う際は真空引きをして水分を取り除きますが、やはり長い時間の経過と共にエアや水分が進入するのは避けられないというところでしょうか。システム内を循環する水分や異物を取り除くためにレシーバタンクが付いていますが、その容量を超えてしまうと上記のような「詰まり」が発生します。
心当たりのある方は早めの対処をオススメします。