2004年06月24日

エアコン・レトロフィット

引っ越し・その3〜♪
またまた、共立電機(http://kyoritsu.car-denso.net/)の長沢専務です。

■■■ プロからのアドバイス
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■■■ エアコン・レトロフィット

こんにちは共立電機の長沢です。いよいよ本格的なシーズンですが、エアコンの不調や故障は早めにチェックしたいものです。今回はトラブルが多くしかも修理の難しい旧冷媒(R12)車のエアコンについて、その理由と対処法のお話しです。

フロンガス規制
89年より世界的にフロンガスの規制が始まり、92年11月の国際会議でオゾン層保護のためCFC-12(R12)フロンは96年以降生産中止となりました。このフロンはカーエアコン始め冷房機器の冷媒として多用されてきた物で、環境への影響の少ない物への転換がこの頃から始まりました。

レトロフィットとは
現在R12フロンは入手できない(または困難)ため万一故障によりガスもれが起きた場合再充填することができません。そのためR12の代替えフロンであるHFC-134a(R134a)で代用するために、従来のエアコンパーツを一部交換して対応することを「レトロフィット」といいます。
地球環境の保護を妨げずにR12仕様車両の修理に対応する方法として注目されています。

* デンソーが自社製エアコンに対応させるために提供している物で、 主にトヨタ・ダイハツ・日野製の車両・エアコンが対象となります。
当社にて作業施行した車種の一例としては
セルシオ(UCF11)、クラウン(JZS131)、マークU(JZX81)、セ リカ(ST183)、セラ(EXY10)他、などがあります。

基本作業
必要部品が交換キットとして発売されており、基本的な作業内容は次の通りです。
・レシーバタンク(A/Cサイクル内のゴミや水分を除去するフィル ター)の交換
・チャージングバルブの交換
・コンプレッサーオイルの交換

実状と同時作業
しかし対象車両が車齢10年を越えているためA/Cシステム全体に何らかのトラブルを抱えているのが実状です。そのため同時作業として、シール、オイルをR134a用の物に交換済・オーバーホール済みのコンプレッサー(リビルト品)への交換を推奨しています。
A/Cの心臓部をリビルト品と交換し、各部を点検・修理・交換することにより寿命延長とトラブル抑止につながります。

若干のデメリット
安全性と引き替えにわずかながら効率などの面でデメリットが生じます。
1.基本的にはR12仕様のシステムのままで対応するため熱交換効率が若干減少し、吹き出し口温度が1〜2度上昇する傾向があります。
2.R134aはガス自体の圧力が高いため、渋滞時等には高圧プレッシャースイッチ(A/Cサイクル圧力保護回路)の作動がR12の時に比べ若干増加することがあります。
停車したままエアコンを使用し続けると、たまにコンプレッサーの作動がOFFになり、一定時間自動的にエアコンが止まる、あれです。

ただ、R12のままでは修理できないわけですし、長年使用した物からリビルト品への交換により全体的な効率は同等かむしろ好転するケースも多いようです。
また、その後万一他の部位の故障によりガス漏れが発生したとしてもR134aフロンは比較的安価に入手・対応が可能です。
posted by car-denso.net at 03:23| Comment(2) | TrackBack(0) | └エアコン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
肝心のリビルトコンプレッサーがないと話になりません。
Posted by 津村 at 2009年06月30日 23:46
「肝心」かどうかはコンディションによりますが、
記事にあるように、車歴から考えても交換をお奨めするケースが多いようです。
Posted by ミズモト at 2009年07月01日 01:17

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