2004年06月17日

「ガスが減ってますよ、お客さん」

「エアコンガス補充○○円」ののぼりや看板が出て、ガソリン入れる度に勧められるようになると、「ああ、夏が来るんだなぁ」と妙なところで季節の変わり目を感じ・・・

・・・、何を隠そう、私はこの仕事に携わるまでは、(車の)エアコンというものは徐々にガスが減っていくもので、適当なところで補充しなくちゃいけない、そのためにガソリンスタンドは勧めてくれているんだとばっかり思っていました。(幸いエアコンの調子はすこぶるいいので、入れたことはないが。。)

ところが、これがとんでもはっプンプン!
ほっとくと大変なことになる(こともある)、というお話。
本来エアコンシステムの冷媒ガスは減ることはありません。家庭用エアコンではよほど古くならない限りまず聞きませんよね?では、車のエアコンはなぜガスが漏るか?
家庭用と車のエアコンの違いは、まず形からして違います。家庭用は基本的に室内機と室外機の2つの機械に別れ、それぞれ構成部品がきちんとケースに収まって設置後はガタガタ動いたりしません。これに対し、車の場合は限られたスペースに(というより空いたスペースに)各パーツを無理やり配置したようなものです。ボンネットを開けて「私の車のエアコンはどれ?」と質問なさった奥様がいらっしゃいますが、「これがエアコン」というはっきり目に見える物は車の場合は無いのです。システム内の各パーツがむき出しの状態でバラバラに配置され、しかもエンジンからの熱や走行時の振動に耐えなければならず、ホコリや水分も悪影響を及ぼし、家庭用とは比較にならないほど過酷な環境で稼動しています。当然大きな負担がかかり、各パーツやそれを結ぶ配管の連結部からガスが漏れるというトラブルも起きやすくなるわけです。

ガスが漏るということは、当然冷房能力の低下を招きます。限界を超えれば全く冷えなくなるわけです。まあそれだけだったら(できるひとは)暑いのをガマンさえすればどうとでもなるわけですが、ここで「オイル」の問題が同時に起こります。
「エアコンのクリーニング」の記事でも触れたように、エアコンのコンプレッサーにはオイルが不可欠で、このオイルはガスといっしょにシステム内を循環します。どこかでガスが漏るとこのオイルもいっしょに漏れてしまいます。
つまり・・・
「ガスが減った」といっては補充を繰り返すうちに、オイル足りなくなってしまうわけです。程度問題ですが、放置すればコンプレッサー内部の潤滑不良で最悪の場合「コンプレッサーの焼き付き」という重大トラブルに発展することもあります。極端にいえばホース1本、パッキン(Oリング)1個の交換で済んだはずのものが10万円からの大修理になってしまうこともあるわけです。

エアコンの修理はとにかく早め早めが大事、というのは、こんなところにも言えるわけです。
posted by car-denso.net at 00:35| ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | └エアコン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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